実際に旅をしなくても旅をする方法を考えてみました。

思えば、私はそれほど「旅」をしていない旅ビギナーです。帰省の時期だから、法事だから、結婚式があるから…。そういった用事以外で、自分で旅をしようと決めて出かけることがあまりありませんでした。
ここ最近急に「あちこちに行ってみたい」と思うようになって感じたのは、旅には時間やお金や体力が必要ということです。

冷静に考えると、これからの人生でできる旅の数は両手で足りてしまうかもしれないのです。
そこで、「実際に旅をしなくても旅をする」方法はないものか考えてみました。
思うに、綿密にプランを立ててみるだけでもかなりの満足感はありそうです。
しかし計画はあくまで計画であり、旅の一部ということになります。
旅とはそもそも何なのでしょうか。

今の私が旅に求める要素は何なのか、以下の10項目にまとめてみました。
海で遊んではじけたい、アスレチックを楽しみたい、というようなアクティブな選択肢は抜けています。
あくまで自分の場合として考えてみました、

(01)プランすることを楽しみたい
(02)移動を楽しみたい
(03)好奇心のままに動きたいスリルを味わいたい
(04)歴史や芸術に触れたい
(05)地元の方と交流したい
(06)非日常を感じたい
(07)食べたい・買いたい・泊まりたい
(08)名所の景観、自然に感動したい
(09)リラックスしたい
(10)旅をしたことで視野が広がったり精神的に豊かになりたい

実際に旅をせず、上記の10項目の要求を満たすことはできるでしょうか。
一つずつ考えてみました。

(01)プランすることを楽しみたい

現地にでかけないのであれば、計画を楽しむくらいしかないのでは?とまず思いました。

・旅行先の県や市の公式サイトを見る。
・旅行情報のサイトで口コミを見る。
・ブログの生の声を拾う。
・ホテル検索サイトでよりお得に、素敵なホテルを探してみる。
・yahoo!路線情報で移動時間を具体的に調べてみる。
・途中のバス情報はバス会社の公式サイトで調べる。

ネットには膨大な情報があり、家にいてスマホやパソコンを触るだけで全ての計画を立てることも可能です。
大概のことは無料でできてしまいますが、私はまずガイドブックを探して入手します。
派手な表紙で大判のムック、「るるぶ」や「まっぷる」が私は好きです。
ガイドブックはネットよりは情報が遅く自分の欲しい情報がないことも多いものの、まるっとひとまとめになっているのでその地域の標準的な見どころや交通網を短時間で確認するのに役立ちます。
ネットの情報の海で溺れてどこかへ行ってしまわずにすむので、旅慣れない私にはガイドブックはうれしいツールです。

(02)移動を楽しみたい

可能な限りリアルに計画してみたら、実際に現地に行かないことを忘れるくらい熱中してしまいました。
駅に着いたら荷物をどうしよう、ロッカーに預けようか、先にホテルに立ち寄るか。
家を出るのが早いから朝ごはんは列車の中で食べよう。いつどのタイミングで買おうか…等々。
新幹線や飛行機のイメージは経験の中にしかないので、新たに何か知りたいことがあればネットや書籍で新たな情報を仕入れるきっかけとなり、知識を増やせるチャンスでもあります。

(03)好奇心のままに動きスリルを味わいたい

プランを立ててみたら、現地で数少ないバスの連絡を探しながらドキドキしていることに気づきました。
バスを乗り過ごしてしまうかも、暗い知らない町でタクシーも通らない状況になったらどうしようと思うとまたスリリングです。
旅行ビギナーの私は海外旅行はほとんど行ったことがないので、海外の一人旅のプランを立てるだけでもスリルを感じることができます。
今は政情不安定で一人どころか旅行が危なくなってしまった国であっても、机上であれば行けるのだということに、これを書きながら今気づきました。

(04)歴史や芸術に触れたい

本を読む、ネットを見る、都内であれば旅行先に関わる展示があるかもしれません。
その土地の民謡を聴きたい場合は、家の近くの図書館で「日本の民謡全集」といったお宝CDを見つけることができればその地方のCDが無料で借りられます。
今はyoutubeで探せばもっとお手軽に、生でレアな、その土地の祭りや音楽の音・映像を楽しむこともできるでしょう。

(05)地元の方と交流したい

アンテナショップでおすすめを尋ねたら、スタッフの方が地元ご出身だったようで的確な答えをいただいて嬉しかったことがあります。
百貨店の物産展では、食品以外の出店でたまたまお客様が他にいらっしゃらず、長く深いお話をできたこともありました。
とはいえ先方は仕事をしておられるので、ご迷惑をおかけするのは本意ではありません。
一人で完結するなら、地元出身の作家さんの本を読むのもいいと思います。
映画化されていたら映像が見れてラッキーです。
紀行文を読んで著者の気持ちになるのもいいですね。
気軽に誘えるような友人が他県出身なら、いつもはしない地元の話をきいてみるのもいいと思います。
そう考えたところで、逆に自分が生まれ育った土地について質問をされたら答えられるだろうかと心配になりました。

(06)非日常を感じたい

私が別の土地に行って感じる非日常は、方言、気候の違い、日の光の明るさの違い、スーパーに並ぶ肉の種類や魚の色などです。
電車の扉にボタンがついているだけでも、「遠くに来た!」と驚いたりします。
正直、出かけずに感じることは難しそうなので、「旅行本」で人の目を借りて感じてみたいと思います。
試しにネットで「旅に行った気になる」で検索してみたらいろいろ面白そうな本が出てきました。
特に、一度行きたいと思っている台湾について、渡辺直美さんのガイドブックを出しておられました。
台湾茶を用意して美味しいお茶を楽しみながら、綺麗な写真が載るページをめくって優雅な時間を楽しみたいです。
興味深いオススメ本を知ることができて、ネット上ではキュレーターさんたちが私の知らない世界について可能性を広げてくれるなあと実感しました。

(07)食べたい・買いたい・泊まりたい

今はたいていのものはネットで手に入ります。
また、身近のスーパーなどのお店でも各地の美味しいものを扱うことが増えた気がします。
カルディでも各地の美味しいものをみつけることができます。
都内に行けば各県のアンテナショップもあり、食品以外にも工芸品などを扱っています。
東京駅の中央通路の駅弁屋「祭」には全国各地の駅弁があって、お客さんでいっぱいです。
地元駅のエキナカにもにも「踊」という駅弁店があります。
先日「もしかして地元のお弁当以外もあるのかしら?」初めて覗いてみたら、他県のお弁当も少し置いてありびっくり。もっと早くに気づけばよかった!。
そのときちょうど気になっていた柿の葉寿司を購入して、美味しくいただくことができました。
「泊りたい」については、要求を満たすのは難しそうです。
今夜は寝るときに目をつぶって、ここは現地のホテルと思い込んで寝てみようかしらとも思います。

(08)名所の景観、自然に感動したい

写真集を見る、ネットで写真を探す、youtubeを見る、テレビの特集番組を見る。
今はストリートビューという驚きの機能もあります。
海の街に行きたいのなら、近場の海に出かけることで感動を味わえるかもしれません。
海の向こうはアメリカだったり中国だったり、夢が広がります。

(09)リラックスしたい

現地の入浴剤をとりよせて優雅なバスタイムを楽しむのはどうでしょう。
家から出ずにのんびり、今日はここへ行ったつもりと決めるのもいいですね。
いっそアロハシャツを用意して、一日なりきり休日を過ごす。
何もない海辺の温泉宿に軟禁されたつもりで、間違っても仕事の本などは読まず、ゆっくり過ごしてみたいです。

(10)旅をしたことで知識を得たり視野が広がったり精神的に豊かになりたい

本を読む、調べる、映画を見る、タブレットでGoogle Earthを開いて地球儀を回すようにして世界を見る。
現地にいくことに比べればささやかなことですが、何もしないのであればやってみたほうが得るものは大きいです。
実際に行くつもりで情報に接すると、その土地の天候、地理、歴史などの情報は驚くほど頭に残ります。

 

以上が、私の「旅をしないで旅をする」方法でした。

 

ところで、もし調べて調べて考えて考えて、そのうえで現地に行ったら確認するだけの旅になるのだろうかと少し疑問を持ちました。
いや、そんなことはないはずです。
東京に用事で出かけるとき、事前に地図でわかったつもりで地下鉄駅から上がったときそこにはいつも驚きがあります(そしてわくわくとします)。
同じように、新しい場所には新鮮な驚きが必ずあると思います。
そして、思うとおりにならず、よくも悪くも期待を裏切られることが、私が遠くへでかけるときの楽しみです。

 

人間は生命に限りがある以上、リソースが足りず行きたい場所すべてに行けないのは私だけではないでしょう。
インターネットによって、以前と比較して驚くほど情報を得やすくなった今、自由な想像で遠くへ出かける楽しみは広がりました。
わたしもまた天井を作らず、羽を広げてまたどこかへ思いを飛ばしてみたいと思います。