成田のうなぎについて考えてみました

2か月前に、熊本県の人吉でうなぎを美味しくいただくことができました。
上村うなぎ 熊本県人吉市紺屋町

そのあと、「いつか成田のうなぎも食したい」と思っておりましたところ、先日その機会がありました。
6月のある木曜日の昼に身内と成田山新勝寺に行ってきましたので、そのときのうなぎについてご紹介したいと思います。

ところで成田山新勝寺は、お寺としては初詣客日本一として知られています。
都心からは遠いのになぜなのか、と考えながらの小さな旅となりました。

12:32、京成成田駅の市役所側出口方面の駐車場に車をとめて外に出ました。
12:37、歩いて京成成田駅の通路を通過しました。
すぐ近くにあるJR成田駅を左に見ながら、表参道へ入ってぶらぶらと歩きます。
成田山新勝寺までは徒歩約10分です。
途中、「平成30年4月28日~5月28日 成田山開基1080年祭」の旗がディスプレイされていました。

 

歌舞伎の隈取を連想する洗練されたデザインだと思いました。 成田山の人気は、江戸時代の初代市川團十郎さんがご利益をPRしたところから続いているのです。

開基1080年祭の期間内はさぞかし賑やかであっただろうと思います。

12:48、成田山薬師堂が左に見えました。これは、新勝寺の前の前の前の本堂です。

以前の本堂が残っているのも、成田山新勝寺の特異なところだそうです。
成田山新勝寺の敷地内には、前の前の本堂「光明堂」も、前の本堂「釈迦堂」も残っています。

さて、この薬師堂から先は歴史を感じることができる下り坂の参道です。
途中で目に入る古い建物は風情があります。

12:51、うなぎのいい匂いに気がつくと、右側に有名な川豊さんの看板が見えました。

やはり多くの人が店の前にいらっしゃいます。
川豊さんでは、外でうなぎをさばいている光景をいつも見ることができます。

おなかは空きましたが、先にお参りをすることにしました。

少し歩いて、到着です。

12:56 総門の成田山の看板の写真を撮りました。

実は、前日にTVの成田山新勝寺の特集で「総門では上にある蟇股(かえるまた)の自分の干支に一礼して通るといい」と紹介されていました。
そのためか、みなさん上を見上げて「あれはウサギだね」「いや、ネズミだよ」と楽しそうに探しておられました。

十二支の中の「馬」です。高いところにあるので、下からはよく見えず、みなさんクイズ感覚で賑やかに楽しんでおられました。

13:10 本堂の前のお賽銭箱の前でお参りを終えたところ、13時からの護摩が始まっていることに気づきました。
私たちも、靴をビニール袋に入れて上がって参加して、貴重な経験をすることができました。
申し込みをしなくても、誰でも護摩祈祷に参加して財布やバッグなどを護摩の火にあててもらってお不動様のご利益をいただくことができます。
もちろん事前に御護摩料とともにお護摩の申し込みをすれば、なおよろしいかと思います。

この、誰も平等に受け入れていただけるウェルカムな空間が、また来年もここに来たいと思わせてくれるのかなとも思いました。

その後、記念写真を撮ったりのんびり池の亀を見たりしました。
本来は成田山新勝寺は一日ゆっくり見ることができる奥深い場所です。
時間が許せば、釈迦堂、光明堂、額堂、平和の大塔、成田山公園、成田山書道美術館…いろいろ楽しんでいただければと思います。
御朱印も、大本堂、光明堂、釈迦堂、出世稲荷、醫王殿、平和の大塔とすべてを回ると6種類を集めることができますよ。

13:42 いよいよ外へ出てうなぎ店へ向かいます。

またうなぎの匂いがするエリアまで少し歩きます。
うなぎ屋さんが数多く集まっているのは全国的にも珍しいそうです。
先ほどの川豊さん、菊屋さん、駿河屋さん…有名なお店もいっぱいあります。
私たちは近江屋さんへ入ることにしました。
近江屋さんは、今回の成田行で参考にしたブラタモリの書籍で紹介されていたお店でもあります。
そのため頭に店名が残っていたので、さくっと決定することができました。
旅籠(はたご)として300年、うなぎ屋さんとして200年の歴史がある老舗さんです。

お店は前日の成田山新勝寺紹介のTVの影響もあるのか、大変混雑していたようです。
近江屋さんはTVで取材をされたお店ではありませんでしたが、ちらっと映ったとのことでした。

「やっと一息ついたところなので、今なら待たずに召し上がれますよ」とのお話でした。
それでも中は多くの席が埋まっていました。

14:03 お話のとおり、席についてそれほど待たないうちに、単品で頼んだうなぎの白焼きが先に運ばれてきました。

みんなで白焼きをつついて、いただきます。

美味しい!

私は、わさび醤油でうなぎを食べるという経験が初めてでした。
醤油に落ちて光るうなぎの油には、DHA、EPAが豊富に含まれているのだろうなあと思いました。

14:08 全員のうな重が運ばれました。

今回は滅多にない身内の集合なので一番いいお重を頼みました。香の物は、成田名物の鉄砲漬けだと思います。

うなぎはふっくらとして味もよく、ご飯もちょうどいい固さで大変美味しくいただけました。
肝吸いも美味しく、大きな肝は精がつきそうでした。大人の味です。

感謝を伝えて店を出て、いい一日の締めくくりとなりました。

余韻を楽しみながら参道を戻りました。
ソフトクリームを食べる者あり、写真を撮る者あり。

15時過ぎに駅前で解散です。
県外在住の2人のうち、1人は京成電車で上野経由で、1人はJR成田駅から快速久里浜行きの電車に乗り座って帰りました。

京成駅とJR駅が近くにある成田は、交通の便もとても良かったです。

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さて、人吉も成田も、いずれも大変美味しいうなぎでした。
違いは?と考えるに、やはり成田のふっくらした食感と人吉のパリッとした食感が一番の違いでした。

西と東でうなぎの調理方法が違うと聞きます。
関東では、うなぎを捌いて焼く前に「蒸し」の工程が入るそうです。
これにより、食感や味に違いが出ると思われます。
話には聞いていましたが、実際に違いを体感することができました。

また関東の場合は、蒸し工程の際にうなぎが串から落ちないよう、両側に背がくる背開きをするそうです。
関西は腹開きをして頭ごと串に刺して焼くとのこと。
同じ国内でも、うなぎの捌き方でにも違いがあるのですね。

ところで、なぜ成田ではうなぎが名物なのでしょうか。
もともと近くの印旛沼の川魚やうなぎを食べる食文化があり、それで成田詣の参詣客にも、江戸で人気があり栄養価も高いうなぎ料理を提供したのが今に至るそうです。

江戸、うなぎ、といえば思い浮かぶエピソードもあります、
江戸時代、夏にうなぎが売れないことを困っていたうなぎ屋さんに、平賀源内が「本日、土用丑の日」というキャッチコピーをアドバイスしたそうです。
平賀源内は、学者さんであり医者であり、作家であり、俳人であり、絵も描いて、発明もする人でした。
これがきっかけとなれば平賀源内は江戸でのうなぎ人気にも大きく貢献したわけで、本当にすごい人だと私は平賀源内さんを尊敬しています。
(土用丑の日のはじまりは諸説あるようです)

成田市では、成田山の参道だけでなく多くの店でうなぎ料理が提供されているとのことです。
そして、成田市は公式キャラクターも「うなりくん」といううなぎを前面に出したキャラクターで勝負しています。
そのうなりくんがキャラクターの賞レースで日本一に輝いたのも、記憶に新しいところです。

しかし、いかにうなぎの街といえど、今食べることができるうなぎはほとんどが養殖であり、天然うなぎを口にすることは特別なことといえます。

天然のニホンウナギは、西マリアナ海嶺というグアム島近くで産まれ、暖流に乗って東アジアに着き、また産卵のためにマリアナ海嶺に戻るという大航海をしていると聞きました。
そういった事実が確認できたのも2000年代後半と、最近のことと知りました。

そして、現在ニホンウナギは絶滅危惧種として、近い将来野生での絶滅の危険性が高いものに指定されているそうです。
前回、今回と美味しくうなぎをいただいたことが、うなぎについて自分が今度どうするのがいいのかを考えるきっかけになりました。

環境が変わると、ニホンウナギが乗る暖流のルートが変わってしまうかもしれません。
ささやかでもエコを意識したいと思いました。

また、養殖のうなぎを美味しくいただける研究、技術に携わる方々、料理~提供に携わる方々に感謝します。
今後うなぎをいただくその機会があれば一回一回を大事にして、うなぎにも感謝したいと思います。
うな重は、正直お値段が高くて、今回のような特別な日以外では通常は手が出ません。
しかし、うなぎは希少種であり、環境問題も考えると、価格は高くていいのだと思いました。
節目の大事な機会に、楽しくうれしい時間を持ち、美味しく味わって食すという高級品でいいと思います。
一年に一度の参詣もまた、大切で貴重な思い出や良き一年の始まりとして、高級品のうなぎをありがたくいただきたいところです。

西のうなぎと東のうなぎのおかげで、いろいろなことを知り、考えることができました。

新しいことに出会えるように、また折りをみて外に出て、古きを訪ねてみたいと思います。