東京国立博物館(トーハク)で陶器を見てきました

先日、トーハクの平常展の「国宝 虚空蔵菩薩像」を見に行った時に、陶器もいくつか見ることができました。

今回のブログは、陶器についてです。

上野恩賜公園の中を通ってトーハクへ向かう途中、大規模なイベント「全国大陶器市」が開催中でした。

最近気になっている「波佐見焼」が、入口のいい場所にありました。

写真の右側手前のお店が、波佐見焼のお店でした。ゆっくり見たかったなあ。

最近、あちこちで人気と聞く、長崎の「波佐見焼」。
その個性は何なのかと調べたら、逆に個性がないのでアレンジが自在。今風でセンスのいい器が作れるので人気らしいと知りました。

長崎は、LCCのジェットスターが2018年9月6日から就航を開始しましたので、一層気軽に出かけることができる場所になりました。

波佐見焼の長崎と有田焼・伊万里焼の佐賀県を一緒に回る「焼き物の旅」はいかがでしょう。楽しそうです。

「全国大陶器市」は、ゆっくり、全部回ってみたいけど、今日のところはまずトーハクへ…。

トーハクに向かって陶器市を通り抜ける途中には、気になる「織部焼」がありました。
「織部焼」は鮮やかな緑が美しく印象的な焼き物で、岐阜県の美濃焼の一種です。
「あら素敵!」と思うものはお値段も素敵。
いつか気に入った織部を探して、お皿一枚でも手元に置いて使ってみたいです。
(組で求めるのは勇気がいります。)

ローソンのおまけの皿も、100円ショップのお椀も、水漏れすることは無いので機能としては遜色ないです(持つときに重いとか、細かいところはいろいろありますが (^^ゞ)。
そこを好きなものを選んで使うことは、美術品とか工芸品の意義ともつながるような気がするので、また後日あらためて考えてみたいと思います。

さて、トーハクです。
今回の平常展で気になったのは、「織田有楽斎(織田信長の弟)が所持していた高麗茶碗」です。
織田有楽斎は山田芳裕先生の「へうげもの」で知りました。

二次元のマンガから、時空を超えての三次元の世界が広がります。
そして出会ったときには、トーハクに「推し」がいた!という感動があります。

重要美術品「大井戸茶碗 有楽井戸」織田有楽斎・紀伊国屋文左衛門所持。私が写真に撮った結果は、自分の目でみたものとは質感も形も違うものになりました(@_@)。

「有楽斎のあと、様々な手を経て、関西を代表する茶人藤田香雪が所持した」ことの記載があります。

「へうげもの」実写キャストを考えると、私の中では「織田有楽斎」役は細川俊之さんです。既に故人ですが、大人の色気がある、知的なイメージの方でした。
そんなイメージの有楽斎本人が、はるか昔にこれを手にのせたかと思うと、不思議です、

さて、平成館の特別展から帰るときに通路にあったポスターを見て、「織部獅子鈕香炉(おりべししつまみこうろ)」という名品を見落としていたことに気づいて戻ることができました。
初めて聞く名前ですが、織部焼であれば見ておきたいものです。

よく見ると、香炉の足がとてもカワイイです。「熱田太神宮」の文字が撮りたかったのですが、そもそも写真としてダメでしたね。

私の撮った写真がひどいので、リンクを貼っておきます。

C0021596 織部獅子鈕香炉 – 東京国立博物館 画像検索
(奉納した「熱田太神宮」の文字が少し見えます)

織部獅子鈕香炉 文化遺産オンライン

(以下は文化遺産オンラインの上記ページからの引用です)

江戸時代・慶長17年(1612)
総高20.9 口径22.2*19.7
1合
銘文: 「慶長拾七年 熱田太神宮 九月吉日 加藤佐右衛門尉寄進仕候」

胴と蓋に釘彫で「慶長拾七年 熱田太神宮 九月吉日 加藤佐右衛門尉寄進仕候」と寄進の銘文が刻まれている。数少ない織部焼の在銘品として希少であるばかりか、中国・明時代の青磁獅子鈕香炉をモデルに美濃焼の陶工がいかに創意したかを知る絶妙な作品でもある。

香炉の情報を探すうちに、熱田神宮に奉納されたもう一つの香炉が、三重県四日市市のORIBE美術館にあることを、以下のリンクで知りました。

織部獅子香炉の解説
一般社団法人ORIBE美術館 桃山時代の織部焼美術館

最近、私が織部焼を気にするのは、やはりマンガ「へうげもの」の主人公が、古田織部(武将で茶人で織部焼を指導した人)だからです。

そして、あらためて頁をめくってみると、「へうげもの」19巻 第二百八席「大久保WORLD」の回は、このトーハクにあるのと同じ「織部獅子鈕香炉」のエピソードで始まります。

熱田神宮で祈願して桶狭間で勝利した信長にならって、1612年に古田織部が香炉を熱田神宮に奉納して豊臣、徳川合体を祈願するくだりがあるのです。
その際、作陶した加藤景延を合体工作に巻き込まないよう、景延の弟(故人)の名前に織部が直させたという話になっています。
上記香炉の解説と合わせて、研究家の方の丹念な調査による、重みのある3ページだったのだと初めて知りました。

(「へうげもの」最終巻25巻巻末には「この物語はフィクションです。実在の人物・団体・出来事などとは、一切関係ありません。」の記載があります。ご注意ください~。)

うっかり見落とすところであった展示物が、自分の興味の中心だったとは。
びっくりです(@_@)。
そのわりには、読んだくせにすっかり忘れていましたが…。

「へうげもの」は「ひょうげもの」と発音するもので、おどけた言動をする人、剽軽者(ひょうきんもの)のの意味だそうです。
マンガでは、古田織部の一面がそういう人として描かれています。また、変わった形の陶器ができたことを喜ぶくだりも多くあります。
トーハクで他に展示されていた織部焼の器が左右非対称でぐにゅっと曲がった形だったのも、古田織部の哲学が流れているのだろうかと思いながら見ていました。

 

2018年10月13日から、映画「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」が上映になります。
お茶がテーマになっていること、多部未華子さんが好きなこと、2018年9月に逝去された樹木希林さんの遺作であることから、気になっている映画です。
今の私の頭のなかでは、「お茶」「器」「花入れ」「茶室」「数寄」などのいろいろなキーワードが整理されないままの状態です。

100均のお皿でなく、なぜこだわる必要があるのか。
おもてなしとはなんなのか。
芸術とは、文化とはなんなのか。
数寄とはなんなのか(「へうげもの」に出てくるキーワード)。

私に理解できる日が来るとは思いませんが、理解に一歩近づくための一つとして、この映画も見てみたいものだと思っています。

ところで、織部焼。
「あんなに緑が綺麗なのだから、料理の下にレタスを敷かなくてもいいかも!」
とひらめきました。

私はどうにもこうにも、芸術とかけ離れて浅ましいなあと自覚いたしました。
本来はアウトプットするにはおこがましい状態ではございますが、どうかご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたしますm(__)m。