こんにちわ!
先日家で、ふと何をすればいいかわからなくなったときに
「そうだ、浴衣を解体しよう」
と思い立ちました。
今回は、その時のことを書きたいと思います。
昔に誂えた浴衣は、年をとった今も好きな柄です。
残念ながら茶色の染みが酷く、酸素系漂白剤に浸けて洗ってみたりしましたが変わりませんでした。
洋服にリフォームするのは無理ですが、自分の身の回りで使いたいと思っています。
今回は用途は考えず、まずは解体をしてみることにしました。
前回小紋を解体した時は「反物に戻してみたい」と思い、すべての縫い糸を切りました。
使った道具はリッパーだけでした。
今回は、使える縫い目はそのまま使えるようにというスタンスです。
道具は、リッパーに加えて先日ミシン作業用に購入した「目打ち」も使うことにしました。
始めにリッパーで糸を切ったら、あとは目打ちで抜いていきます。
結果的に、作業のほとんどを目打ちで行いました。
小紋の解体時には布と布の間の糸をリッパーで切って、糸はそのまま残していました。
そのため、使用する前には糸を抜くという、後からの手間が発生しました。
その反省から、今回はできるだけ切らずに糸を抜いていくことにします。
糸が長くなって腕が足りなくなったらリッパーで糸を切って、また目打ちで抜き始めるという方法をとりました。
まずは、襟をとってみました。
綿だからか、以前の絹の着物よりも糸が抜けにくいような気がしました。
縫い目の方向によって、目打ちを使う方向が違うと糸が抜けません。
手首を返しながら作業をしました。
襟が終了したら、へらへらして邪魔な「衽(おくみ)」という部位もとりました。
最後に、袖2枚をとりました。

袖の丸く縫い縮めてあるところです。やっぱり布は切らないのですよねー。
背中は縫い合わせたままなので、広く布を使いたいときはそのまま流用したいと思っています。
ところで、目打ちは有名メーカー製の、1000円弱くらいのものです。
探せば100均のお店にもありそうでしたが、先が丸くなっているなど細やかな配慮がされている様子なので比較することなくこちらを選びました。
先が丸いのは安心~と思っていました。
しかし、途中でうっかり手を離してしまったら目打ちの先がフローリングの床に
「ぐさっ」
と刺さりました。
その時足元に犬が居なくて本当に良かったと思っています。
便利な道具は、力を増幅してくれる分、リスクもあるのですよね。
浴衣の解体作業は、前回小紋をほどいた時ほど気負うことなく終了しました。
無心に糸を抜く作業をしている間は、私には楽しい時間でした。
着物の解体の時に思ったように、
「手縫いで、こんなに細かい作業をしていただいていたのだなあ」
と痛感しました。
お金を払っているとはいえ、
「どなたかがせっかく丁寧に縫ってくださったのに一度も着ることがなくて、申し訳なかったなあ」
とも思いました。
しかし過去を思えば、私は
「浴衣で楽しい青春の夏~☆」
というような明るいワカモノではありませんでした。
結局、浴衣を着る機会を見つけることはなかったのです。
和裁士さんには申し訳ないという気持ちも大事にしつつ、
「過去は変えられないのだからそこはもういいよね」
と、前を向いてこの布を使います。
また、多少の後悔と引き換えに、あらためて着物という文化に触ることができてよかったです。
布のその後については、後日こちらでご報告できたらと思います~(*´▽`*)。
楽しいです~(((o(*゚∀゚*)o)))。