こんにちわ。
いつもお読みいただきありがとうございますm(_ _)m。
さて、前回のブログは、また実家の片付けについて書きました。
【気が抜けてます】いよいよ親の家を片づける(その20) | Andastar
その日の昼食後、私は前から実行したかったことをしました。
それは、着物の解体です。
この日は、IKEAのブルーバッグに着物を一着入れて、自宅に持ち帰るつもりでした。
しかし、急遽思い立ち、「たとう紙」こと引っ張りだして、母のベッドの上に載せて広げました。
「私はこれから休憩ね〜」
と言って着物の解体を決行したのでした(オオゲサ)。
今回は、着物の糸を切って解きながら思ったことなどを、また以下に書いてみたいと思います。
ネットで見たところでは
「必ずこの部位から外しましょう!」
みたいなことはなさそうでした。
初めての和服の解体なので、時間を計ることだけを目標にして、目についたところからテキトーに糸を切っていくことにしました。
結果的には、衿を外したあと裏地と表地を分けて、あとは各布に解体という手順を踏みました。
時間は、ポイントごとに写真撮影をして、後から撮影時間を確認することにしました。
練習台として選んだ一着目は、私が成人式のときに袴と一緒に着た小紋です。
結果は以下のとおりでした。
時間は、ざっくり丸めてあります。
14:00 解体開始
14:50 衿はずし完了
16:00 裏地はずし完了
17:20 表地一式解体完了
17:50 裏地解体、一部残した衿解体の完了
以上で終了です。
「ザ・ぶきっちょさんの初めての着物解体(小紋の場合)」は、所要時間4時間でした。
単純作業が好きな私には、リッパーで糸を切り続けるだけでリフレッシュできました。
触っているのが綺麗な絹なのも、思えばhappyな作業です。
糸を切りながら湧いていた雑念を、以下に書いてみます。
■いくつかの部品は反物を半分の巾に切ってありました
通常40センチ弱の巾がある反物ですが、衿や衽(おくみ)は半分の20センチくらいの巾で作ってありました。
「衽(おくみ)」は左右の前身頃の端についている布です。
衿は2枚に分かれました。短い方を「掛衿」というようで、汚れたら外して洗ってまた付けられるように衿の上にかけて二重にする布だそうです。
今、納得できました。そういう用途か!
衿を解体するときに、二重になっている部分と両脇の一重の部分の3つに分かれるかと思っていたら、長短の2枚の布になったので
「???」
と首をひねっていたのでした。
■やっぱり、エコ(@_@)
なんと、足元の後ろから足元の前まで、一枚の布地でできていました。
右左各1枚の布を背中で縫ってあります。
解体した布を二つ折りにしてみたら、ちょうど真ん中にあたる場所に、切込みが入っていました。
「衿肩明き」というそうです。
しかし切り取ってはいないので、縫えば再利用ができます。
ネットで反物の切り方の図を検索してみたら、これまた合理的だったので興奮しております〜\(^o^)/。

図がテキトーすぎたので補足です。袖も見頃も衽(おくみ)も、同じ長さを2枚です。この図では同じ長さに見えないですねー(^^ゞ。
しばらくは無理ですが、いつか自分のためのテキトー和裁をやってみたいなあと思いました。
■リッパーそんなに悪くない
ある日解体を思いついてリッパーを購入してからは、チャンスがあればと常に持ち歩いていました。

事前にチェックしたサイトでは
「リッパーは傷つくから糸切りハサミがいい」
という方が少なからずいらっしゃいました。
でも、実際に解体してみたところ、素人の目線からはリッパーで問題は感じませんでした。
リッパーの購入にあたっては、長くて持ちやすく、先が細いリッパーを選んで良かったと思います。
お店では同じ長さのリッパーが2種類あり、着物の解体にはどちらがいいですかと聞いたら
「細いほうがいいんじゃないですかねー?」
と首を捻りながらアドバイスしていただいて、決めたサイズでした。
■要所要所が切れない
着物は、基本は手縫いです。
どこかの和裁士さんが集中してこの着物を縫ってくれたのだと、今回初めてイメージすることができました。
驚いたのは、ほとんどの糸は切りやすくできているのに、裏地と複数の生地を留めている箇所が、きつく留めてあって、切るべき糸が見えません。
これが職人技なのだろうかと思いました。
次は前半のきつく留まっているところでだけ、Hazukiルーペを使おうと思います。

■袖の2箇所の縫い方が可愛い
袖の丸くなっているところは、細かく可愛く縫い縮めてありました。

そしてやはり、布は切っていないのです。糸を抜けば、長方形のの布に戻ります。
江戸時代には、庶民は新品の着物は買えず古着を着ていたので、古着屋さんは繁盛していたそうです。
着物が作られてはじめの持ち主が古着屋に売り、次の人もまた古着屋に売るかもしれません。
次に古着屋で買った人は、より小さい着物への仕立て直したり、布団、敷物、おむつ、雑巾へと…。
何度も形を変えて擦り切れるまで使った知恵に感動します。
■裏地はツギハギ
裏地の大半は白い「胴裏」という部分で、外から見える部分や足元に「八掛」という色のきれいな布地が配置されていました。

グラデーションが綺麗なこれが多分、八掛です。

多分、白い布地が胴裏です。
胴裏は、やぶけない程度に引っ張っりながら一気に糸を切りました。巾は表地の反物と違って広そうです。
着物を解体したみなさんがこの胴裏をどうしているのだろう、捨ててるの?と調べたら、染めてリメイクされているケースをいくつか見かけました。
ここも捨てないのねー、ふむふむ。
■解体後の保管方法
考えていたのは、もとの反物のように巻き付けて管理する方法です。
芯は、その気になれば通販で買えます(送料はかかります)。
カバーも、その気になれば何かで包めます。
しかし千切れてるし、どうしたものかなあと思いながら、解体後の着物は再度たとう紙に包んで自宅に持ち帰りました。
■若い頃の選択を責めるのは酷
最近はこの着物のことを思い出しては
「こんな着物を選んじゃって、ほんとにもう!」
と過去の自分を責めていました。
しかし、糸を切りながら、
「18歳の子に『50代のオバサンが好む柄の着物を買え』なんて無理だよねえ」
と考え直しました。
もし成人式用に華やかな着物を買ったら、やはりその年になった自分のお嬢さんに受け継いでもらうのがいいんじゃないかしら。
でもお嬢さんだって成人式に着るものは自分で選びたいかもしれないから、お友達の結婚式などで着てもらったらいいんじゃないかしら、
などと思いながら糸を切っておりました。
昔に友人が結婚するときに、参列者の友人に
「着物を着てきて!」
と依頼をしていたのを思い出しました。
確かに、若いお嬢さん達が華やかな振袖で集っている光景は豪華で、式の格が上がる感じがしました。
和服を着るのは大変だけど、そういう形でのお友達へのお祝いもあったのだと思い返しました。
(残念ながら私は洋装で参列しました(*ノω・*)テヘ)
着物はレンタルが合理的ですが、買ってなければこんなことは考えていなかったのだなあと思います。
今少しでも着物文化に触れることができたのは、良かったです。
ところで、この私の突然の
「休憩して着物を解体します!宣言」
については、実は母が戦々恐々だったようです。
解体が終わった頃に、
「針がねー、心配で心配で。」
とやってきました。
「針なんかないよー。」
と言ったら、気にしていたのはリッパーの事でした。
今の母のベッドは、電気で吸気して膨らましているエアーベッドです(便利!ビックリ!(@_@))。
ベッドにリッパーの先でも刺して、
「ぷしゅー」
と穴が開いたら今夜寝る場所がないと、母は心配していたのでした。
いい作業台だと喜んで使っていましたが、確かに今後は気をつけねばと思いました。
着物を解体してみようと思った経緯は、またそのうちご紹介できたらと思います。
この経験を、先の着物の処分について考える材料として活用せねばです。
やってみたかったことができたので、楽しく、充実していた午後になりました。
そしてこの日は、自宅に帰ってもう一つ満足できたことがありました。
それはまた、明日以降にご紹介いたしますーm(_ _)m。
今日もありがとうございました〜\(^o^)/。