【波津彬子/ふるぎぬや紋様帳】私が読んだ服飾マンガ(その4)

こんにちは。
またまたマンガの話です。
最近の私のブームは
「電子書籍でマンガの無料巻を読むこと」
です。
結構な有名どころの名作が、3冊まるまる無料になってたりします。
そして時間が経っても消えないものもあります。
(期間限定で読めなくなるものもあります)
これ、
「あたし有料で買ったじゃん!」
みたいな悔しさもあるわけですが。

で、
「無料だー、得したー」
と有頂天になっても結局その後続きを買っちゃうので、私はまんまとやられているのです。
なので直近、これをマイブームにしてからは、次を買わないよう踏ん張っています。
「うっ、次はどうなるの?」
そしてwikipediaのあらすじを読んで、
「これなら買わなくてよかったかな」
とほっとひと安心。

しかしそんななかで、
「次を読む」
と決めたマンガがあります。
それが、波津彬子先生の
「ふるぎぬや紋様帳」
です。
現在、無料の2巻までを読みました。

 

 

マンガの奥付によれば、この作品の1話目初出は小学館の「月刊flowers」2014年6月です。
既刊5巻、最新の第6巻は今年2022年の4月8日発売予定です。やったー。

主人公は、インテリアコーディネーターの樋口伊都子(いとこ)です。
友人と3人で立ち上げた会社は、オネエ言葉の所長の源ちゃんと妖怪好きな翔子ちゃんの居心地が良さそうな場所です。
伊都子はある日祖母の着物を譲り受けますが、興味もないので売ることにします。
着物に詳しい源ちゃんが勧めてくれた骨董屋さんを訪ねる伊都子ですが、道に迷って猫に誘われて見つけた店は、着物が伝えたい記憶を見せる不思議な店でした。
「ふるぎぬや」というその店は、源ちゃんが紹介してくれた店ではなく、その後行きたくてもなかなかたどり着けません。
単行本一冊に6話の短編が収められている、宝箱のような作品です。

一巻の第一話では、祖母の記憶。
第二話では、おそらく着物好きな祖母が集めた「死んだ子供のために誂えた袖を通していない男児用の晴れ着」がもつ記憶。
第三話は、クライアントの女性の思い出の着物。
第四話は、鮮やかな色が目に痛い、なんの記憶も持たない150万の着物の処分を頼まれたらなかなか店にたどり着けなかった話。
第五話は、自分が描かれた羽織を求めて伊都子を頼ってふるぎぬやにたどり着いた、出禁の客の話。
第六話は、姑の着物を処分する嫁の話です。

この作品で私が一番好きなのは、この世のものではない妖かしの存在が可愛いことです。
また、よく出てくる猫たちもチャーミング。
そして、感応しやすい質の伊都子が、着物を広げてはその記憶に入り残り香にあてられ、疲れながらもその世界に
「まあいいか」
と順応する姿にほっとします。
そして、私自身も同じ体験をするような錯覚をできて、くらくら酔うような感覚を味わえるのが素敵です。

 

 

さて、作者の波津彬子先生は、昔私も作品を集めた花郁悠紀子先生の実の妹さんです。
お二人のご出身は、石川県金沢市です。
そして、花郁悠紀子先生は1980年12月12日に26 歳で夭折されました。
今回初めて知ったのは、お二人の本名の名字「開発(かいはつ)」を「かい」「はつ」とペンネームで分けたということでした。

お二人の絵柄は違うけれど、どこか共通する繊細さがあります。
それは、金沢ご出身ときくと「ああ」と感じられるような品のある繊細さです。
波津彬子先生の最新作「幻妖能楽集」は、花郁先生もモチーフにされた「能」の世界をマンガ化されたものとのことです。
こちらは出版社はKADOKAWAです。
小学館の「ふるぎぬや紋様帳」といずれも、電子書籍ストアでフォローして、クーポンやキャッシュバックで有利な時を狙って購入しようと思います。

 

 

本日ご紹介の波津彬子先生の著作は、まだまだまだまだあります。
有名な「雨柳堂夢咄」はやはり短編が集まったもので、現在は18巻出ていて今も続いているようです。
急がなくても逃げないので、のんびりと少しずつ読んでいこうと思います。
自分の残りの人生の楽しみが一つ増えた、貴重な出会いをくれた無料マンガでした。