瀬戸口みづき著「ローカル女子の遠吠え」を読んでいます(その2)

こんにちは。
ここ10年近く、電子書籍を使い始めてマンガを多く読むようになりました。
せっかく購入したのに一回しか読まない作品もあれば、繰り返し読み返すものもあります。
今日は、「私的に何度も繰り返し読む系」のマンガ、
「ローカル女子の遠吠え」
について2回目のブログです。

実は、初めて読んだ時と今では、読み方の観点が大きく変わっているのです。
前回のブログはこちらです。

「瀬戸口みづき著/ローカル女子の遠吠え」を読んでいます

 

 

マンガのストーリーは、生真面目な主人公「有野りん子」が東京での就職に挫折して地元静岡に戻り、周りの人々と繰り広げる地元生活のあれこれです。
その中での「静岡県あるある」は、巻を重ねるごとに深くなっていくのがまた楽しみです。
静岡県民は愛を込めて自県を「しぞーか」と呼ぶそうで、私はそれもこのマンガで初めて知りました。

そしてマンガ中で頻繁に描かれるのが、静岡県民の「お茶礼賛」「家康公礼賛」「富士山礼賛」です。

この「富士山礼賛」について私は
「大げさに描いてあるんだろうなあ」
と思っていました。
職場でみんなで
「今日も富士山は綺麗だねえ」
と褒めそやすエピソードは何度も出てきます。
まるで、赤ちゃんに「カワイイカワイイ」というようでもあります。
それが、
「いや、あれは大げさではないのでは?」
と少しわかったような気がしました。

調べたら、私がこの本を買って読んだのは2019年9月でした。
この数カ月後に私は、防災士という民間資格の講座を受けています。
そこで先生の話を聴いて、初めて意識したのが日本列島の特異な環境です。

地球は10数枚のプレートで覆われており、日本列島あたりではそのうちの4枚が押し合っています。
房総半島沖には、3枚のプレートが接する「プレートの三重点」という珍しい場所もあり脅威です。
そんな日本列島では、地震が起き、火山は噴火します。

そんな中であの美しい富士山も、
「いつかはわからないけれどいつかは噴火する」
というのが防災上の常識です。
近隣県以外にも、防災計画に火山噴火を入れている自治体も多くあります(やや離れていても火山灰が飛んでくるから)。

富士山は元々は小御岳火山という今よりも小さな山だったのが活動して小富士火山になり、約1万年前に今の形になっています。
今の富士山の中には昔の山が2つ入っているわけです。
そもそも富士山が美しいのも、噴火で流れた大量の溶岩が流動性が良かったためにあの美しい線を描いて遠くまで流れたためだろうと思います。

新富士山が活動した頃にはもう縄文人がいて、周りには人が住んでいたことでしょう。
富士山は平均して100年に一度噴火しているそうなので、数世代のうちに一度は起こる噴火に人々は驚き、怖れ、それを子孫に伝えたのではないでしょうか。
まさに畏敬です。
そのDNAが、作品内の人々の富士山愛に繋がっているのでは、と私は新たに感じたのでした。

火山も地震も、止めることはできない自然の厳しさであり、一方でそれが人々に恵みを与えてくれます。
お茶の産地として有名な静岡、鹿児島とも火山とは無縁の場所ではありません。お茶に適した土壌もまた、自然の恵みなのだろうと思います。
静岡県が誇るお宝の多くが、富士山と無関係ではありません。

以上、全然マンガの感想じゃないじゃないか、という内容で恐縮です。

 

 

瀬戸口先生のこの「ローカル女子の遠吠え」の中では噴火についても少し触れられています。
その中で、今から約300年前の江戸中期に噴火した宝永火口を紹介するくだりで小さく
「歴史上最後の噴火」
と書いてあることが私には印象的でした。
「直近の」
という言葉を選ばないことが、静かな祈りだと感じます。

防災上ありうることとして備えるのとは別に、やはりあれは最後。

私の中で他のことに例えると…
日本の国土は海底にたまったものが削り取られて大陸にくっついていたのが2パーツ剥がれて、その東西のパーツの間に伊豆・小笠原の火山帯がずんずんやってきて衝突して合体してできたもの、というのもわかりつつ。
だけど、淡路島でイザナギ・イザナミが海をかき混ぜて最初の島ができたのもそれはそれ。

周辺の県民一人一人が「鎮まった富士山」でいてくれることを祈り、毎日見ていることが日々富士山を礼賛することに繋がっているのでは?という主観的な感想を持ちました。

マンガの中では無粋なことは描かれず、守られた幸せな世界であり、私は夜な夜なその世界へ何度も繰り返し遊びに行くのです。

 

 

あらためて早足で「ローカル女子の遠吠え」をめくって感じたことがあります。

コロナが落ち着いたら真っ先にしぞーかに行きたいかもー!

このマンガ、腰を据えて計画するための、しぞーか(静岡)の観光ガイドにもなると思います。

楽しさ、防災、そしてまた違った「観光」の視点から、「ローカル女子の遠吠え」を読み直してみようと思った本日でした〜。