周良貨/夢野一子 著「この女に賭けろ」を読み返しました

こんにちは。
先日、「この女に賭けろ」という銀行を舞台にしたマンガを久々に読み返す機会がありました。

「この女(ひと)に賭けろ」は1993年から1997年までモーニングで連載されたマンガです。
私は当時モーニングを定期購読していたので、当時雑誌で読みました。
あらためて購入したのはここ1〜2年あたりのことです。理由は忘れましたが、「外れのない痛快系マンガ」の一つとして思い出しての大人買いです。

今日のブログは、銀行のことも、そもそもお金のこともまるでダメな私によるこの本の感想です。

 

 

主人公の原島浩美は都市銀行「よつば銀行」の女性総合職一期生です。
大手町の本店勤務から、同期トップの昇進とともに成績の悪い台東支店に異動となります。
浩美は、お客様第一の信念、持ち前の能力で、お客様の問題や仲間の問題を解決し、支店の成績を上げます。
支店の業績を立て直したことで支店は存続が決まり、浩美は栄転でまた本店へ戻りあらたなステージが始まります。

 

…感想、私には書くのが難しいかも。
何度もスマホを滑らせる指が止まって、数日経ってもブログの更新ができないー。
それはやはり、私が金融とか経済とか全く知らないからなのです。

 

連載が始まった1993年は、もうバブルは弾けて景気が悪くなることを実感していました。
「バブルが弾けた年」と検索してみると、wikipediaの「バブル崩壊」の項目で以下の文章が出てきました。

内閣府景気基準日付でのバブル崩壊期間(第1次平成不況や複合不況とも呼ばれる)は、1991年(平成3年)3月から1993年(平成5年)10月までの景気後退期を指す。

おそらくバブルの時期に華々しく導入された「女性総合職」たち。
他部署の部長の噂話によれば
「最近ボロボロ辞めていく彼女たちの成績には、旗振り役の人事部長は面目丸つぶれ」
「浩美に成績低迷の支店を再建させて失点を挽回したいのだろう」
とのことで、浩美は期待を背負ってもいます。
しかし、
「女の子には渉外の仕事は務まらない」
というのが、男性行員の大半の見方です。

そして一巻では、多くの女性行員が出てきます。

朝は始業時間ギリギリに机に飾る花を持って、涼しい顔で役員専用エレベーターで出社する原島浩美。

自分の意見をとりあってもらえないことに失望する本店の一般職西村は、浩美に
「いつか役立つから考えたことは忘れないように」
と諭され気を取り直します。

異動先の台東支店には、総合職で国際部にいた松田葉子が一般職として窓口に座っています。
凛とした彼女はゆくゆく、エリート銀行員を支える妻として立場を変えて浩美と戦うことになります。

支店窓口の女性たちは様々で、総務係は30年以上同支店にいる生き字引のような人です。

こうして再度深く読み直すと、夢野一子さんの手によったからこそ私がこのマンガを好きなのかもと気づきます。
同じ原作であっても、視点が違えば思い入れは生じないかもしれません。

1巻では、浩美が支店勤務で初めての新規契約をとるエピソードが完結します。

ここでは、浩美が馴染みの客になる下町の喫茶店「ハナコ」の年配のオーナーや、顧客企業の2人の腹違いの後継者のそれぞれの母親がちょこっと登場したりもします。
支店勤務のため越してきた下町では、ご近所さんのおばさんのちょうどいいおせっかいも心地よく読めます。
彼女らが登場するほんの僅かのコマにも、その背景や心情を感じられ、私はそういうシーンが好きなのです。

そして、私のこのマンガへの評価は、「女性視点」なのだとつくづく感じました。。

とはいえ、ご紹介したのは極々一部で、銀行員の理想を体現して進んでいく浩美や、浩美が巻き込む人々、支える人々の魅力やストーリーは胸熱です。
特に、台東支店で出会う山田支店長との長きに渡る関係は、特筆ものです(でもここでは書きません)。

 

 

私の好きな詩人さんが
「生きる代わりに、書いてはいけない」
というようなことを仰ってました。

私はこのブログを書いていて
「生きる代わりに、読んではいけないかもしれないけど読んでいる」
とふと思いました。

みんな実世界では頑張っているのに自分はのんびり生きてきたことを少し悔やみつつ、エンターテイメントの力を借りて生きております。
寅さん映画を見た人が寅さんになって映画館を出てくるように、読み終えたら私も浩美になって、背筋を伸ばして歩こうかと思いました。

このマンガ、読後感もよくて、面白いです。
おすすめー!