内館牧子 著「すぐ死ぬんだから」を読みました

こんにちわ。
先月中旬、電子書籍でフォローしていた小説「すぐ死ぬんだから」が安くなっていたので購入して読みました。
今日はこの本のご紹介です。

 

 

小説はなかなか自分から選ばない最近、この本をフォローしたきっかけは「グレイヘア」本に載っていた内館牧子先生の文章でした。
ここに、新刊の「すぐ死ぬんだから」の一文が引用されていたのです。

白髪にしても、おしゃれな人たちはそれをスタイルとして、手をかけて演出している。
なのに、不精でバサバサした白髪頭をおっ立て、ガサツに結び、洗いっぱなしの顔に、ヨレった服。そこにリュックとくる。こういうバアサンを見ているとムカッ腹が立つ。

主人公の、78歳「忍ハナ(おしはな)」がクラス会や町で見かける不精なバアサンたちを、心の中で切り捨てる言葉です。

ここを読んで、

キャー、ごめんなさーい(泣)

と、私は頭を抱えたくなりました。

一番気になったのが、
「白髪頭をおっ立て、」
のくだりです。

白髪って、立つんですよね。
ほんと。
そして、子供の頃から多毛にうちひしがれてきた私でも、この年になるとおっ立つ白髪さえも勿体無くて抜けません。

そしてすぐ、この「すぐ死ぬんだから」をフォローしたのでした。
1月半ばは講談社の書籍が安かった時期だろうと思います。
購入して、一気に読んでしまいました。

主人公のハナ以外の主な登場人物は主に家族です。
夫の岩造。
長女の苺。
長男の雪男、嫁の由美、孫の雅彦、いづみ。
同級生の雅江、明美。

若い頃は苦労をしたけれど、今では身なりを構うことが可能な程度に裕福で、自分に手をかけることが重要であると知っているハナ。
しかし大きなショックを受け、気を落とし、自分が心の中で非難していた愚痴愚痴と暗い高齢者になりかけますが…。

そこから先は、お読みいただければと思います。

さて、私の感想は以下のとおりです。

🔳展開が早い
小説というのは、かようにテンポよく進むものだったか。
それとも脚本家の方の本だからなのか。

小説を読まない私がそんな感想を持つのは僭越ですが、途中事件が勃発するたびに、
「あっ」
「おっ」
と驚き、忙しかったです。

そして今ふと思ったことです。
展開が早いのは、主人公が老人だからというのもあるかもしれません。
年を取り家族も知人も増え、それぞれに少しずつ関わっているので些末な事件は増えて忙しい。
そう気づくと、ハナは広く社会と関わって幸せな老人だと私は思いました。

🔳キーワードが胸にささる
帽子をかぶってリュックを背負って去っていく老人の群れを、ハナは「虫」のようだと感じます。
まさに今の私が、不精でよれよれの服を着ている、「虫」なのでドキッとします。

他に「セルフネグレクト」という言葉にはどきっとしました。
自己放棄、それはゆるやかな自殺でもあります。

また、

手をかけない女が好きな「ナチュラル」

つまらない女が好きな「人は中身」

という文章も目を惹きました。

私が今着てる服、あれもこれも破けている。
ああー。ちゃんとしなきゃ、ちゃんと(泣)。

🔳「今」が見える
後半は、仙台から帰省している聡明な孫の大学生「雅彦」がハナをリードしてストーリーを進めるくだりがあります。
そんな中で、話題のキーワードにまつわるエピソードも語られます。

雅彦は随所で気のきいたことを言うので、メモしておきたいくらいです。

初出は2017年12月から2018年3月、小説現代での連載なので、2年ほど前になります。

急に、今連載されている各種小説を読んでみたくなりました。
月刊文芸誌を買ってみたい!
うーん、「」にも影響されてるかもー?

 

 

さて、私はこの本を読んで、一年以上ぶりに美容院に行くことにしました。
(そんなに行かなかったのも、どーなの)

新たに母と並走の生活を追加した上で、以前の平常運転に少しずつ戻していきたいと思いました。

「すぐ死ぬんだから」は、主人公の強さが魅力的で読後感もよく、読んで後悔はしませんでした。
私がこの本から影響を受けてもハナや内館牧子さんやグレイヘア本に出る素敵な人にはなれません。
でも、少しでも変わりたい。
私には、そんな力の出る本でした。

そして、理解しきれていないこの本の本質は、時間をおいて再読して味わってみたいと思います。
60代、70代の私の心に、何が光るのか。
78才のハナは、この本の中で成長し、パワーアップしていました。わたしは?。

お気軽に、手に取ってみてくださーい。