【小玉ユキ/羽衣ミシン】私が読んだ服飾マンガ(その3)

こんにちわ!
今日は、またソーイングモチーフのマンガをご紹介します。
小玉ユキ先生の初連載作品「羽衣ミシン」、全1巻です。

 

 

小玉さんは、「坂道のアポロン」の原作マンガの作者さんとして知られています。
掲載紙は、ポーの一族再開でもお馴染みの小学舘「月刊フラワーズ」でした。
Wikipediaによれば、

「鶴の恩返し」と「天女の羽衣伝説」を融合させたような作品。

羽衣ミシン – Wikipedia

…まさにそのとおりです。

橋の技術者になりたい大学生「陽一」が助けた橋にひっかかっていた白鳥が、陽一を慕って女の子の姿で家に訪ねてきます。
美羽と名乗る少女と陽一の、5話+番外編の切ないラブストーリーです。

私がこのマンガで好きなところは以下の3点です。

◼️真っ白で清く美しい
ヒロインは白鳥の化身で、主人公の陽一は地味で人が良くて彼女がいたことがない大学生。
毎年白鳥が飛来するような、雪を見慣れる地域の冬の間のお話です。
画面は白っぽくほわほわしていて、小玉先生の最新作より私はこっちの絵が好きです(ごめんなさいー)。
心が洗われるような作品です。

◼️後味がいい
たった9ページの「番外編 かえりみち」。
これが重要!。
「書き下ろし」ということは雑誌しか読んでいない人はこれを知らないわけなので、ぜひここまで読んでほしいと思いました。

一冊完結のいいマンガって、格別な思い入れがあります。
大好きなアクセサリーとか宝石とかのような。
このマンガもそんな感じの本てした。

◼️エピソードがいい
不思議な少女、美羽が起こす変なことが笑えたり、気の毒だったりします。

洗濯ができない
コンビニ弁当の鳥唐揚げを食べて吐く
初めて見るミシンに頬ずりする
おてもやん化粧と下着姿で陽一を誘う
来客の前でも唐突に生の食パンを食べる

無垢で無知な美羽が、かわいいのです。

他に、脇を固める陽一の友人沓澤くんのちょっとナニかある親子関係とかラブの予感のエピソードも好きです。
マンガ一冊というのは、結構いっぱい詰められるのだなあと思いました。
絵の情報ってすごい。

 

 

そして、ソーイングエピソードです。
陽一の幼なじみの「糸織(しおり)」は学生ながらハンドメイド品のネットショップを運営しています。
東京からこっちの大学に来ている沓澤くんも、ニット作家のお母さまの影響を受けてかニット作品を作り、糸織のネットショップに出しています。
美羽がナゾの素材で作った陽一のマフラーを見た糸織が、
「なんならこのミシン貸すからやってみない?」
と誘うのでした。

ここで貸してくれるミシンはポータブル式の電動ミシンですが、扉絵の美羽は昔ながらの足踏み式ミシンを使っています。
懐かしいフォルムの、机もセットになっているあのミシンは、昔はどの家にもあったのかもしれません。
「買った方が安い」
という言葉を私はずいぶん使ってきたけれど、最近は
「不遜だったかも」
と少し後ろ暗い気持ちがあります。
いいなあ、停電になっても使えるっていいなあ。
黒電話も、昔のミシンも。

陽一のことを想ってつくる美羽の作品は、人気が上がっていきます。

一方で沓澤くんのニット作家の母親は、彼のニット作品を評して、
「もうひとつ何かが足りないのよ」
「人に対する愛情みたいなものが希薄なのよね」
と宣います。
母親は、沓澤くんをそうしたのが自分とは気づいていない様子です。
その沓澤くんも、この短いお話の中で自分が忘れていた想いに気づき、自分の小さな作品に愛を込め、幸せな人生への一歩を進めます。

 

 

そんな感じの、「羽衣ミシン」でした。

ハクチョウって、一夫一妻なんですね。
ツルもだそうです。

一夫一妻制の是非はともかく、これからも、清らかな気持ちになりたいときにこの本を読みたいと思いまーす(*≧∇≦)ノ。