【西炯子/STAYリバース 双子座の女】私が読んだ服飾マンガ(その2)

こんにちわ!
私がミシンを買って、半年近くになりました。
しかしほとんどミシンを出さないでいるうちに、買った布地が季節に合わなくなりそうです。
ソーイングモードにならず焦る気持ちをマンガで解消している最近なので、今回のブログもそのうちの一冊、西炯子先生の
「STAYリバース 双子座の女」
をご紹介します。

 

 

「STAYリバース 双子座の女」の初出は、
小学館の「月刊flowers」2003年12月から2004年5月号です。

私が「月刊flowers」を毎月読んでいた時期には、西炯子先生の読み切りは飛ばしていました(=読んでませんでした)。
しかし現在は、西炯子先生のマンガの多くを持っています。
そのきっかけになったのが、日テレ徳島えりかさんのとある番組での一言でした。

「いま面白いのは、『姉の結婚』というマンガです。」

とかなんとか…。
文言は正確には覚えていないのですが…。

私はその後すぐ「姉の結婚」を買って読み、続けてその他のタイトルの既刊、続刊を追いかけて今に至ります。

そして私が好きな西炯子作品ベスト3は、以下のとおりです。

1.STAYリバース 双子座の女(全1巻)
2.娚の一生(全4巻)
3.姉の結婚(全8巻)

このベストワンが、今回紹介するタイトルです。

「STAY」は西先生が高校生を描いたシリーズで、数冊出ています。
「STAYリバース 双子座の女」は独立しているので、このために他のSTAY作品を読む必要はありません。

主人公は、美人とは言い難いポッテリした顔の達観した少女「刈川エリ」と、生徒会長で剣道部主将の男子「坂本清雅(せいが)」の2人です。
自然豊かな郊外での夏期講習中、清雅は刈川が着ている手製の服に
「かわいい……」
と、釘付けになります。

その後親交を深めるうちに刈川は、清雅の心は女性であることを知ることとなります。
一緒に紅茶を飲み、恋バナを聴き、変わろうとする清雅を支えます。

そのなかで、刈川が清雅に裁縫の手ほどきをしたり、一緒に手芸店に買い物に行ったりするシーンがあるのです。

西先生の作品では、本物によく似た架空の県が出てきます。
「姉の結婚」では、「中崎県」が。
「娚の一生」では、「角島県」が舞台でした。
この「STAYリバース 双子座の女」で2人が買い物に行くのは「天文通」なので、舞台は鹿児島県と思われます。
刈川が行く手芸店の名前は「マキセ」です。
似た名前の有名な店があるのかもしれません。
そもそも西炯子先生が鹿児島県指宿のご出身だそうなので、鹿児島県が舞台になることは多いように思います。

さて、2人の交友がごく普通の同級生に過ぎない頃のこと。
黒板消しクリーナーが壊れたのを直す清雅と、それを脇で見ている刈川が以下のような会話をします。

「…夏期講習のとき
毎日 変わった
服着てたよね
…あれ」
「自分で作ったの」
「…やっぱり
…洋裁
するんだね
…すごいや」
「すこくは
ないけど
わたし小さいから
自分にぴったりに
作れるのがいいわね」
「…自分に」
「ぴったり」
……

アスリートの男の身体を持つ清雅でも、自分に合わせて女の子らしいカワイイ服を(作って)着ることができる可能性を耳にして、強く心が動くシーンです。

わかるうー!。

ソーイング系のエピソードでは他に、刈川が3か月バイトしたお金で1m23000円の中国杭州産最高級の絹を購入します。
帰り道にベンチに座って、満足そうに絹に頬擦りするのでした。

刈川が住むマンションの一室は、トルソー(人台)も置いてある「洋裁の要塞」です。
自宅に遊びに来てこの部屋に通された清雅は、目を輝かせて驚きます。

また、刈川が清雅にこの杭州絹を見せて言う、

「おっかなくて
ハサミを入れる
勇気がないわ」

という小さなシーンにも、私は共感しました。

 

 

ソーイング好きな方におすすめと言えるほどソーイング寄りではないのですが、私のように
「ソーイングをモチーフにした作品が読んでみたい」
「どんな作品があるの?」
という方もいらっしゃるかもしれないので、
この「私が読んだ服飾マンガ」シリーズでご紹介してみました。

私が西炯子作品でこの作品を一番好きな理由は、ソーイングモチーフとは関係なく、読後感が好きだったからです。
ラストの〆のボリュームも、テンポも、よかったです。
ただし、「禁断の愛」も語られる話なので、お好みでない方はお気をつけください。

清雅が背負った「性同一性障害」に
「なぜ?」
と苦しむ描写には胸が締め付けられました。
その清雅を救うことになる刈川エリは、高校生にして大人過ぎる一方で時にはおばさんのようで、しなやかなところが魅力的です。
そして、軽やかに自分が着たいものを作って、軽やかに着るのです。
また、刈川エリが清雅に放ったいくつもの言葉には、自分も力付けられる気がしました。

マンガとして、好きな作品です。
興味をお持ちいただけたら、ご一読くださーい(*´▽`*)。