吉田美紀子 著「消えていく家族の顔 ~ 現役ヘルパーが描く認知症患者の生活」を読みました

こんにちわ。
今日、吉田美紀子先生の以下の新刊を見つけたので、即買いして読みました。
「消えていく家族の顔 ~ 現役ヘルパーが描く認知症患者の生活」
という本です。

今日はこのマンガのことを書きます。

 

 

吉田美紀子さんの本は、前にもご紹介しました。
連載がなくなり、ヘルパーの仕事についてもう7年目になるそうです。

吉田美紀子 著「40代女性マンガ家が訪問介護ヘルパーになったら」を読んでいます

吉田美紀子 著「中年マンガ家ですが介護ヘルパー続けてます」を読んでいます

もともと20年前くらいに4コママンガ雑誌を読んでいたときに、
「好きだなあ」
と感じていた優しい作風の作家さんでした。
その頃にコミックスを買うことはありませんでしたが、ヘルパー本を見つけたときはビックリしてすぐ読んだ記憶があります。

今回の本になった連載は、ヘルパーの吉田先生による
「利用者さんの視点漫画」
です。
つまり、認知症患者さんの立場から見える世界を、想像力を働かせて描かれたフィクションです。

私はこの本を読んでみて、年老いた親がいる人へ強くおすすめしたいと思いました。

そんな方向で、私が思うこの本の良いところを以下に語りたいと思います。

■進行することを突き付けられる構成
この本の目次を見ると、要介護認定度で分かれた章の中に、全19話が数話ずつ収まっています

1 要介護1~3(1)
2 若年性認知症
3 要介護1~3(2)
4 要介護4・5

そして、読んでいる途中で私は、
「あっ」
と驚きました。

同じ患者さんで「要介護1~3」にも「要介護4・5」にも登場する方が何人かいるのです。
単作の中でも状況は進行し、介護側の家族自身が認知症の始まりを自覚する場面や、患者さんを残してこの世を去っていくケースもあります。

ヘルパースタッフとして人のライフサイクルの終盤を繰り返し見てきた吉田先生が編んだ構成の妙に、私は息を呑みました。

■3者の視点を知ることができる
今回のメインは、認知症患者である利用者さんの気持ちです。
そして、苦悩し、苦労する家族がいます。
また、その物語の中では施設スタッフが登場して、利用者さんに、家族に接します。

それぞれの大変さを、マンガを読むだけで知ることができるような気になれる。
この読書体験(マンガです)が近い将来の自分に及ぼす影響を考えると、この本を知ることができてよかったと思います。
思い込みが強い私は、
「この本に出会うために私は、20年前に4コママンガを読みまくっていたのかしらあ?」
とまで考えてしまいました。

「現役ヘルパーこぼれ話」のコラムマンガコーナーでは吉田美紀子さんによる補足や本音があり、これも
「えっ、マジ?。甘くないのね。」
と私はどきっとした情報がありました。

利用者さんには男女それぞれの特性があり、やはり男性は認知症という状況になってもガードが固いのだと再認識しました。
2回登場する男性「谷山さん」が「ショートステイ」という言葉がわからないのに

分からない
などという
態度はとれん
男として…

と考えて

ああ それは
いいですね

と外面よろしく「にっこり」笑うシーンは印象的でした。

笑ってしまったのは、自営業の男性が夜中に
「仕事をしないと」
と自分の部屋の洗面所の配管をとってしまったのが「素手で」だったシーンです。
昔とった杵柄、ではなくて、今まさに現役の当事者として身体が覚えている仕事をしたんだろうなあ。

また、家族側には「孫娘」が登場する話があり、その素直な接し方に癒される利用者さん本人を思い心があたたかくなります。
それは、やはり前にご紹介した長谷川先生の絵本に出てくる男の子に共通する、無垢な反応なのです。

絵本「だいじょうぶだよ―ぼくのおばあちゃん」を読みました

■吉田美紀子WORLDに救われる
19話12名の利用者さんは、ほのぼのと話が終わるケースもあれば、寂しい終わり方のケースも少なくありません。
しかし、昔から変わらない吉田先生の優しい作風で嫌な気持ちになることなく、安心して読めました。

とくに、あとがきの最後のコマが好きです。
それぞれの立場で、幸せはあるのだと感じました。

 

 

今日、電子書籍サイトを開いてふと
「そういえば新刊が出ていたりしないかしら」
と思い出して検索しようとしたときに私は、「吉田美紀子」先生の名前を思い出せませんでした。
1分だったか3分だったか、今回はやっと思い出せましたが、翌日になっても有名人の名前が出てこないことはしばしばです。
自分もまた、利用者さんの側になりうるのだ。
と書きながらもまだ実は自覚は足りないのですが…。

想像も出来ないような不安と向き合わなければいけないかもしれない。
それを母が体験する日は、順番なら私より早いかもしれない。
人生100年時代、避けられないし普通のことです。

介護する家族の側として少しでも苦しみが少ないように、余裕があるうちに知識として常識として身体に入れておきたい感覚をこの本で知ることがてきるかもしれません。

私は文字の多い本よりもマンガが身体に入るので、そういう方には強くおすすめします。
また、マンガに拒否感を持つことがない方であれば、この吉田美紀子WORLDを体感してほしいなあと思います。

よろしければ、手に取ってみてくださいねー(*≧∇≦)ノ。

※ダヴィンチニュースでいっぱい読めます。
こちら、オススメです。
https://ddnavi.com/serial/kieteyuku/ 

(オマケ)
私のケースは、このマンガの野方さんのケースにそっくりです。
野方さんはお昼が惣菜パンで夜は牛丼。
ウチも、きちんと何かを作ってあげたことはほとんどありません。
野方さんの顔や、しっかりしているところまで、ウチの母に似ています。
こうしてブログを書いている時間があるわけですし、私には野方さんの息子さんよりも時間はあるはずなのだー。
そう思いながらも、明日もっとよくしてあげるかというとそうではなく明日は今日の続きなのが、私の悪いところなのです。
でも落ち込まないぞー。