高橋留美子劇場「嫌なランナー」を読みました

こんにちわ。
先ほど家にあった「ビックコミックオリジナル」を見たら
高橋留美子さんの短編
「嫌なランナー」
が掲載されていました。
今日は、その短編のご紹介です。

 

 

この短編は、ビックコミックオリジナルで年一回ずつ新作が掲載されている「高橋留美子劇場」シリーズの最新作です。

これまでも私は、家にあるこの雑誌の表紙に「高橋留美子」の名前を見つけては読んでいました。

高橋留美子先生は、みなさん誰もがご存じの著名なマンガ家さんです。
小池一夫先生の劇画村塾出身で、「うる星やつら」「めぞん一刻」「らんま1/2」「犬夜叉」と数えれば、どの代表作もがメガヒットでした。

私が目にした「高橋留美子劇場」の主人公は、多くは真面目でくたびれた中年~初老の男性です。
綺麗もしくは可愛らしい女性が出てきて
「あれ、オレって好かれてる?」
と一瞬いい気になりますが当然勘違いで、やがて身の程に合った幸せに気づきます。

必ず男性とは限らず、主人公がサラリーマン夫婦の奥さんだったこともあります。
そして話の中心になるのは、ペンギンだったり犬だったり死んだはずの妻だったり。

今回の主人公は、初めての支店長職に就く銀行員の男性。
ずっと真面目に生きてきたふつーの地味なおじさんが、支店長として初めての土地に赴任します。
彼がこの話で振り回される対象は、まさにタイトルのとおり
「嫌なランナー」
です。

主人公の男性は、子供の頃から何故か
「妖精のように小さな、ジャージを着て走るお爺さん」
の姿を見ることがありました。
そして、これを見ると不幸に見舞われます。
特に、車に跳ねられます。

着任早々の得意先回りで出されたお茶の湯飲みの後ろへ走っていくランナーを見た彼は、
事故か?不祥事か?
と身構えますが…。

たった32ページがもたらす読後感は、なんと表現すればいいのか。
頭に浮かんだ言葉は、
「おもしろうてやがてかなしき」
ですが、高橋留美子劇場は
「かなしくて、やがておもしろき」
です。

市井の人々の生きる幸せを感じ、心暖まる。

今ふと思い出したのは、私が好きな「めぞん一刻」の一シーンです。

主人公の五代くんにアタックし続けたOLのこずえちゃんの後日談で、彼女は他の人と結婚して転勤で名古屋かどこかへ引っ越します。
そこで朝にゴミだしをするシーンが、私は好きなのです。

このコマのこずえちゃんと高橋留美子劇場に共通するのは、
「いろいろあったけどささやかに幸せ」
なこと。
そのささやかな幸せが、極上の、格別の幸せ。
読後感も、極上で格別だと私は思うのです。

高橋留美子劇場は、大人のマンガ雑誌であるビックコミックオリジナルで発表されるのがぴったりな作品群です。

 

 

私は前から、
「高橋留美子先生は天才だ!」
と豪語していました。

そういってもそんなに読んでない。
うる星やつらも、らんま1/2も犬夜叉も読んでない。
めぞん一刻くらいです。

20代の私は、響子さんの揺れる心に強く感情移入しました。
今読んだら、その頃ほどには思い入れることができないのは心身ともに変わってしまったからでしょう。
(読みすぎてしまったからかも)

なぜ、高橋先生はこんなに描けるのだろうかと不思議です。
子供も、少年も、OLも、おばさんもおばあさんも、夢中になれるマンガを描けることがすごすぎる。
Wikipediaを読んでみたら、やっぱり天才でした。
マンガのプロで、天才。
人の何千倍、何万倍の人生を生きている、巫女のような方だと思いました。

昔、インタビューで高橋先生は子供の頃はぼーっとしていたというようなことを仰っていた記憶があります(ソースが見つからないのでうろ覚えなまま記載します)。
勉強をするようになったのは途中からで、それまではいろいろわからなかったというようなお話でした。
神が高橋先生を選んで使命を与えたのではと、感じてしまいます。

 

 

「高橋留美子劇場」は、コミックスで6話ずつ5冊出ています。
最新刊の最後は、たしかべろべろに泣いたとだけ記憶がある
「私のスカイ」
です。
確か、スカイは犬の名前です。
これ、雑誌から破いてとってあって、見つけて読んでまた泣きました。

多分半分以上、いやほとんどは読んでいない作品ばかりのこのコミックス。
私が「なんとなく」買えなかったのは少し悲しいから。

でも、これ読まないで死んだら心残りです。
今日読んじゃおうかしら。
そう思いました。

今日はマンガデー!

高橋留美子劇場、強くおすすめでーす。